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ビワマスについて詳しく知ろう!生態・生息地・釣り方・食べ方を紹介

ビワマス

サケ目サケ科に属する淡水魚のビワマスは、琵琶湖の深い場所に生息しており捕まえるのが難しかったことから、昔は「幻の魚」とも呼ばれていました。

また、諸説ありますが雨の河川が増水してきた時に捕まえられることが多かったため、「雨の魚」とも呼ばれています。そんなビワマスは、従来までは滋賀県のみの固有種でした。しかし近年では、人工放流の結果により琵琶湖以外の淡水域でも目撃されています。

この記事では、ビワマスの生態、生息地、釣り方、食べ方を通して、ビワマスのことを詳しく紹介していきます。興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

ビワマスの生態

ビワマスの生態

出典元:https://nakamura-suisan.com/?pid=71265544

ビワマスはサケ目サケ科に属する淡水魚で、日本の琵琶湖のみに生息している固有亜種です。

滋賀県の郷土料理として有名な「あめのいおご飯」はビワマスを丸ごと1匹使用していて、平成10年には滋賀県選択無形民俗文化財である「滋賀の食文化財」に選ばれています。滋賀県民にはもちろんですが、全国各地でビワマスは高い人気を誇る食材として知られています。

ビワマスは他のサケ科の魚類と同様に、母川帰巣本能を持ちます。そのため、成魚は10月中旬から11月下旬にかけて生まれ故郷である琵琶湖の北部を目指し産卵を行います。

稚魚の特徴は、サケ科によく見られる小判型のパーマークです。成魚になるとこの特徴は消滅しますが、産卵期になると雄雌ともに婚姻色の澄み切った褐色地にモミジ色の雲状紋が発現します。

サケ科の個体の中では体は比較的小さい方ですが、それでも大型の個体では50センチ以上に成長します。平均的な成長速度は以下の通りです。

  • 1年⇒12㎝から17㎝
  • 2年⇒24㎝から30㎝
  • 3年⇒30㎝から40㎝
  • 4年⇒40㎝から50㎝

コアユ、イサザ、エビ、水生昆虫を捕食しながら2年から5年をかけて成長し、産卵が終わると親魚は約5年といわれている寿命を終えます。

ビワマスは食用で人工孵化も行われていますが、現在は準絶滅危惧種に指定されており減少が懸念されています。人工孵化は100年以上前から行われており、漁獲量自体は最盛期に比べれば減少しているものの、近年では安定してきています。

素人目では判別が難しい

ビワマスはサケ科に属する魚ですが、近縁のサツキマスやサクラマスと混同されることが非常に多いです。それほど見た目が類似しているため、素人目では判断が難しいという特徴があります。

生態上では「眼と側線上横列鱗数」の差異がありますが、簡単には判別できません

遺伝子解析の結果ではサクラマスではなくサツキマスに近いとされており、共通祖先のうち淀川水系を利用した個体がビワマスになったとされています。

背びれと尾びれの斑点に注目

サケ科はサツキマスやサクラマス以外にもさまざまな種類がいるためビワマスの判別は非常に難しいのですが、見た目の特徴を覚えておけば素人でも判別自体は可能です。

ビワマスの体形はサケに似ていますが、以下の違いと特徴があります。

  • 少し側扁していて縦に長い体形
  • 背びれが体に比べると幅が狭い
  • 腹ビレが胸ビレに対して後ろ側についている
  • 背びれと尾びれの生え際に黒い小さな斑点がある
  • サクラマスに比べて目が大きい
  • サツキマスには斑点はない
  • 上下の両顎が口の内側へ曲がる「鼻曲がり」を起こしやすい

とくに判断材料として注目してほしいのが、背びれと尾びれの生え際についている斑点です。

ビワマスには黒色の斑点がありますが、他のサケ科にはありません。見た目が酷似しているサツキマスには朱色の斑点がありますので、それを見れば区別できます。

ビワマスの生息地

琵琶湖

もともとビワマスは滋賀県の琵琶湖のみに生息していました。

琵琶湖の固有亜種ではありますが、現在では栃木県中禅寺湖、神奈川県芦ノ湖、長野県木崎湖などに移植されており、人工孵化も行われています。滋賀県の琵琶湖以外で生息している原因は、人工放流の際に琵琶湖から持ち出されたビワマスがアユの稚魚と混ざっていたためです。

生育至適水温は15℃以下で、主に中層から深層を回遊しています。完全淡水型の生態へと進化している魚なので、少しでも海水が混ざる水域では生きていけません。

他にも、ビワマスは深さが足りない湖や水温が高い湖では生きていけません。琵琶湖以外の水域で定着しなかった理由は水温と水深であるとされていて、深く暗い湖の底付近で生息するため、幻の魚と呼ばれるほどに見つけるのが難しい魚なのです。

ビワマスの釣り方

ビワマスの釣り方

ビワマスは主に刺網漁法と引縄釣法により漁獲されています。

しかし、いつでもビワマスは釣って良いわけではありません。資源確保の観点から、全長25㎝以下のビワマスは漁獲が禁止されており、繁殖期である10月1日から11月30日までの間は禁漁期間が設けられています

また、ビワマスが生息する琵琶湖はバス釣りを目的に訪れる方が多いのですが、ブラックバスとビワマスでは生息深度が異なるため、バス釣りの要領では釣ることができません。広い琵琶湖では浅い部分にブラックバス、深い部分にビワマスが生息することで住み分けがされています。

そのため、ビワマスを釣る際はトローリングと呼ばれる釣り方が一般的です。

トローリングは「引き釣り」とも呼ばれる手法で、船を走らせながら小魚に見えるような餌を撒き、餌につられて上昇してきた魚を狙うという釣り方です。

トローリングでの釣りは個人が自由に行うことは許可されていませんが、琵琶湖の周辺にはサービスとして提供している許可を得た業者があります。実際に琵琶湖でビワマスを釣りたいと考えている方は、事前に予約して楽しみましょう。

ビワマスの食べ方

ビワマス

サケやサクラマスと同様の調理で食べられるビワマスは、刺身はもちろん揚げ物、煮付け、塩焼き、ムニエルなどのさまざまな調理法で楽しめられています。

旬は6月から8月で、旨味成分のアミノ酸を豊富に含んでいるため美味です。マグロに匹敵するほどの脂がのっているため、口の中でとろける贅沢な食感を味わえます

難点としては、流通量が少ない珍しい魚なので一部の料亭でしか食べることができない点。

マグロにも負けない脂ののりは炊き込みご飯にしても美味しく、前述したあめのいおご飯は滋賀県の郷土料理として長く地元の方々に愛されています。

ビワマスを使った伝統料理としては、他にも「こけらずし」という料理があります。

「こけらずし」は長浜市の伝統料理で、ビワマスの切り身をご飯で漬け込んだ寿司のこと。フナ寿司よりも酸味がなく、ビワマス特有のほのかに香る甘さが特徴で、正月や結婚式などの特別なお祝い事のご馳走として提供されています。

また、産卵期のビワマスが持っているイクラも珍味として高い人気を誇ります。サケが持っているイクラとは食味が異なり固さが残る食感なので万人受けはしませんが、滋賀県の地元ではビワマスのイクラを醤油で付けて提供されるのが一般的です。

さまざまな調理法で古くから親しまれているビワマスは、滋賀県に訪れた際には絶対に食べていただきたいおすすめの魚です。

まとめ

ビワマスの生態、生息地、釣り方、食べ方について紹介していきました。

幻の魚とも呼ばれているビワマスは琵琶湖の固有亜種ですが、最近では滋賀県だけではなく栃木県や長野県などにも生息しています。市場に出回る量が少ないため頻繁に食べることができる食材ではありませんが、マグロに匹敵する脂があり、その味は甘味と旨味を同時に堪能できる絶品です。

流通量が少ないため珍味として取り扱われることが多いビワマスですが、一度でも食べれば虜になることは間違いありません。揚げ物、煮付け、塩焼きなど、どのような調理法でもおいしいニジマスは、琵琶湖を回遊している個体の方が美味とされています。

滋賀県に訪れた際はぜひビワマスを食べてみてください。

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